ファーストキスは先生と


***



「祥太郎くん、いっぱい食べてねぇ!」



そう、声をかける、
お母さんは、今日も今日とて、能天気。



瀬那くんが帰ったあと、
『友里に呼ばれてんの』と言って。



私の家に入るなり、
お母さんに大歓迎されて、今に至る。



そして、肝心のお姉ちゃんは帰って来ないし。



「...............、」



それなのに、瀬那くんといるところを、
見られたからか、なんだか、凄く気まずくて。



箸を持つ手が進まない..................



分かってる。



私のこの〝恋〟は、
諦めなきゃいけない気持ちだって。



ずっと分かってるから。



だからこそ、苦しい...............っ。


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