婚約破棄された者同士、円満に契約結婚いたしましょう。
24.激しい雨漏り(モブ視点)
ガラルトとロナメアは、突如降り出した雨に困惑していた。
山の天気は変わりやすい。そんなことも知らなかった彼らは急な天候の変化に驚いたのだ。
しかしながら、それでも彼らは呑気にしていた。家の中なら、特に被害はない。そう思っていたからである。
「ガラルト様、水が……」
「何? これは、雨漏りか?」
だが、二人は家の中にぽつりぽつりと落ちてくる水滴に、事態が楽観視できないと気付いた。
老朽化していた家の天井は、降り注いでくる大量の雨を凌げるものではなかった。雨の勢いが増すとともに、水滴の勢いもどんどんと増してくる。
「な、なんという家だ。くそっ、雨がっ!」
「せっかく掃除したのに、これでは意味がないじゃない!」
ガラルトとロナメアは、雨に向かって怒りをぶつけていた。
しかし、そんなことに大自然が耳を傾けてくれるはずはない。雨の勢いは、どんどんと強くなっていく。
「山を下りるか?」
「この雨の中を、ですか?」
「くっ! それは賢明ではないか……」
ガラルトの提案を、ロナメアはすぐに否定した。
当然のことながら、雨の中を進んで行くのは得策ではない。その判断は、二人にもできたのだ。
そこら中から雨漏りしている家でも、下山するよりはマシである。そう思った二人は、とにかく雨漏りに対処することにした。
「バケツがありましたよね?」
「ああ、これを使ってくれ」
「……とても足りませんね?」
「と、とにかく水を外に出さなければ……」
対処するのが遥かに遅かったため、家の床は既に水浸しになっていた。
それを外に出すために、ガラルトは家の戸を開けた。すると、外から冷たい風と水滴が押し寄せてくる。
「うおおっ! ロ、ロナメア! 窓を閉めるんだ! 雨だけじゃなくて風もある! このままだと家の中がもっと水浸しだ!」
「は、はいっ……!」
ガラルトの指示に従って、ロナメアは家中の窓を閉め始めた。
ガラルトも玄関の戸を閉めて、それに追従する。
「はあ、はあ……くそっ、雨漏りが! こんなのどうしようもないぞ?」
「こ、こんな所でこれから一夜を明かさなければならないのでしょうか?」
「な、なんだって?」
そこで二人は、あることを思い出した。
雨が降り始めた頃には、既に夕方だった。つまりこのまま、夜を迎えることになるのだ。
雨漏りして水浸しの家で、一夜を明かす。とても眠れそうにない環境に、二人は恐怖を覚えていた。
「む、無理だ。下山なんてできる訳がない」
「この家で過ごすしかない、ということですか……」
しかし、下山することはもっと過酷な道になる。
それを理解して二人は、その家で一夜を明かすことにするのだった。
山の天気は変わりやすい。そんなことも知らなかった彼らは急な天候の変化に驚いたのだ。
しかしながら、それでも彼らは呑気にしていた。家の中なら、特に被害はない。そう思っていたからである。
「ガラルト様、水が……」
「何? これは、雨漏りか?」
だが、二人は家の中にぽつりぽつりと落ちてくる水滴に、事態が楽観視できないと気付いた。
老朽化していた家の天井は、降り注いでくる大量の雨を凌げるものではなかった。雨の勢いが増すとともに、水滴の勢いもどんどんと増してくる。
「な、なんという家だ。くそっ、雨がっ!」
「せっかく掃除したのに、これでは意味がないじゃない!」
ガラルトとロナメアは、雨に向かって怒りをぶつけていた。
しかし、そんなことに大自然が耳を傾けてくれるはずはない。雨の勢いは、どんどんと強くなっていく。
「山を下りるか?」
「この雨の中を、ですか?」
「くっ! それは賢明ではないか……」
ガラルトの提案を、ロナメアはすぐに否定した。
当然のことながら、雨の中を進んで行くのは得策ではない。その判断は、二人にもできたのだ。
そこら中から雨漏りしている家でも、下山するよりはマシである。そう思った二人は、とにかく雨漏りに対処することにした。
「バケツがありましたよね?」
「ああ、これを使ってくれ」
「……とても足りませんね?」
「と、とにかく水を外に出さなければ……」
対処するのが遥かに遅かったため、家の床は既に水浸しになっていた。
それを外に出すために、ガラルトは家の戸を開けた。すると、外から冷たい風と水滴が押し寄せてくる。
「うおおっ! ロ、ロナメア! 窓を閉めるんだ! 雨だけじゃなくて風もある! このままだと家の中がもっと水浸しだ!」
「は、はいっ……!」
ガラルトの指示に従って、ロナメアは家中の窓を閉め始めた。
ガラルトも玄関の戸を閉めて、それに追従する。
「はあ、はあ……くそっ、雨漏りが! こんなのどうしようもないぞ?」
「こ、こんな所でこれから一夜を明かさなければならないのでしょうか?」
「な、なんだって?」
そこで二人は、あることを思い出した。
雨が降り始めた頃には、既に夕方だった。つまりこのまま、夜を迎えることになるのだ。
雨漏りして水浸しの家で、一夜を明かす。とても眠れそうにない環境に、二人は恐怖を覚えていた。
「む、無理だ。下山なんてできる訳がない」
「この家で過ごすしかない、ということですか……」
しかし、下山することはもっと過酷な道になる。
それを理解して二人は、その家で一夜を明かすことにするのだった。