不運な令嬢の、二度目の恋。
プロローグ
「――んんっ、優吾さんっ」
ラグジュアリーなホテルの一室。夜だからか暗い。けど、月の明かりが照らしていて少しだけ明るい。
ベッドの軋む音がして、私の身体がベッドに沈む。
「優吾さん……どうして」
「どうしてって、君に会いたかったからだよ」
そう言う彼はとても色っぽくて声を聞いただけで蕩けてしまいそうになる。
「君のことを忘れたことなんて一度もない。君を、今でも愛している」
彼は私の頬に手を当てるとキスを落とす。私はいまだに、彼とキスをしているのが信じられない。
私は都合のいい夢を見ているんじゃないかと、彼にキスをされている現在も思っているのだから。
――夢なら、どうか醒めないで。どうか、これが夢じゃありませんようにと願いながら私はキスを受け入れた。
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