不運な令嬢の、二度目の恋。
「失礼いたします、梅ヶ溪様。ご令嬢。今日はありがとうございます」
父と同年代の男性と、私より年上っていう感じの男性……え?
それは、私が監禁されるきっかけとなった当時将来を誓い合った人だった。
どうして、ここにこの人がいるのか。どうしてこの人がお見合い相手なのか……どうして?本当に、何で……
これは、夢?
「……っ、優吾さん」
食事をして、父たちは先に帰るからと言って部屋を出て行ってしまった。
「梅ヶ溪さん……いや、梨菜ちゃん。久しぶりだね」
そう言った彼は、あの時の同じえくぼが特徴的な笑顔を見せた。