不運な令嬢の、二度目の恋。



「初めまして、僕は法学部法学科の五道といいます。よろしくお願いします」


 法学部の担当がまさかの先輩で、同じ空間でこんな近くにいたのは初めてでとてもドキドキして目が離せなかった。きっとこんな近くにいられるのは最後だし目に焼き付けた。

 それなのにそれからすぐ、調べ物で図書館に行ったときにまたたまたま会ってしまって一言二言話ができた。とても優しくて、素敵な人だった。



「梨菜ちゃん、こんにちわ」

「こんにちわ! 優吾さん」


 初対面の日から数ヶ月。私と彼の距離は自然に縮まって、名前呼びになった。四歳差がある私たちだったけど、とても楽しくて心地よかった。先輩後輩の感情から友達としての感情になり、いつしか恋愛感情を持ってしまっていた。
 そんな時、私は優吾さんに告白されて私も彼が好きだと正直に答えた。



 それから月日が流れ――私が高校卒業に間近になった時。優吾さんに「将来、一緒になろう」と言われた。私はその時、曖昧にしていた自身のことを話しをすることになった。



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