不運な令嬢の、二度目の恋。
まるで自虐ネタを言うように笑うと、内容が内容だったので気まづい空気になってしまった。
何か話さないと……
「あの、優吾さん」
「ん?」
「私、今浦島太郎状態なんです。車でここまできたんですけど、外の風景が違ってだからその……色々案内していただけませんか?」
これは本当で、景色が違って見えたからもしよかったら案内して欲しくてお願いする。
「もちろん。どこでも連れて行く」
「よかった。ありがとうございます」
気まづい空気から抜け出すことができ、話を逸らすことに成功したことに喜んでしまったけど、これって……デートってことだよねっ?
高校の時もしたことのないのに、二人で出かけるなんて難易度高いことに気付いた私だったけど、目の前でスマホをいじりながら何かを調べてくれている彼を見ていたら変わってなくて何だか楽しみになった。