不運な令嬢の、二度目の恋。
優吾side
「……優吾さん、今日はありがとうございました。とても楽しかったです」
「こちらこそ。次はまたご飯にでも行こう。誘ってもいいかな?」
俺の問いに彼女は「もちろんです。よろしくお願いします」と言い、あの頃と変わらず可愛く微笑んだ。
玄関前まで送り俺は車に乗ると、少し早いがいつも行っているバーに行くことにした。
「――あれ、優吾。今日って念願のお見合いだったんじゃなかったっけ」
「今、送ってきたところだよ。今日はジン・ライムちょうだい」
ここは隠れ家的なBARでありフレンチの店だ。誰でも入れるわけではない会員制のバー。店内に入るとエスプリ薫る本格的なバーラウンジがあり、奥に進んだところに今座っているカウンターがある。
「お待たせしました、ジン・ライムです」
「ナオ、ありがとう」
バーテンダー兼店長のナオは、俺が大学生の時の同級生で友人だ。俺の昔のことを知っている貴重な友人。