不運な令嬢の、二度目の恋。
「けど、これからどうするんだ? お見合いして終わりじゃないだろ」
「そりゃ、まぁね。これからじっくり一から始めようって思ってる……まぁ、義父さんたちは早く結婚してほしそうだったが」
「まぁ、そうか。じゃあ、今日は俺からご馳走しようじゃないか」
そう言ってナオが出したのがカットされている三角のケーキだった。俺の好きなビターなチョコレートケーキで、美味しい。
「これから頑張るんだな。優吾がプロポーズする時はこのお店の個室使ってくれるとありがたい」
「抜かりないな」
俺は、チョコレートケーキを食べながら昔のことを思い出した。