不運な令嬢の、二度目の恋。
「私、閉じ込められてずっといない者ってされてたと思ったけど、優吾さんは私のこと考えて思い出してくれてたんですね。嬉しいです」
「君をいない者になんてするわけないだろっ? こんなに愛してるのに」
「優吾さん、ありがとうございます」
「……今すぐにでも連れ去って俺に染め上げたいって思ってるよ、俺は」
「……っ……」
優吾さんの言葉に私は体温が上昇して顔が熱くなった。
「今は、以前のように勢いがある想いがなくていい。だけど、梨菜ちゃんが好きだってこと忘れないでほしい」
彼から紡がれる甘い言葉の数々に酔いそうになる。だから私は、誤魔化すように自分のグラスに入っている赤ワインを飲み物のように飲み干してしまい……そこからの記憶がない。