不運な令嬢の、二度目の恋。




  ***


「……んー」


 目が覚めると私はふわふわなお布団の上だった。


「あ、梨菜ちゃん起きた?」

「優吾、さん……あれ、これは夢?」


 あれ、私……って、あぁ!今だに目が覚めるとこれは夢なのではないかと思ってしまう現象がここでも発揮されていたみたいだ。そうだ、優吾さんとはお見合いをしてデートをしてレストランでお食事をして。それで、赤ワインを一気飲みをしてしまったんだった。

 考えごとをしていれば、優吾さんに唇が塞がれた。


「あの、私――んんっ、優吾さんっ」

「梨菜ちゃん、もっとキスしよっか」


 一瞬だけ部屋を見渡すとラグジュアリーなホテルの一室。夜だからか暗い。けど、このベッドの上だけ月の明かりが照らしていて少しだけ明るい。

 ベッドの軋む音がして、私の身体がベッドに沈む。


「優吾さん……どうして」

「どうしてって、君が愛おしいからだよ」


 レスランの優吾さんとは違ってとても色っぽくて声を聞いただけで蕩けてしまいそうになった。


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