妹に彼氏を寝取られ傷心していた地味女の私がナンパしてきた年下イケメンと一夜を共にしたら、驚く程に甘い溺愛が待っていました【完】
「は? 何それ? 私、怪我までさせてるんだよ? それなのに何で許せる訳?」
「俺のこの怪我は、あくまでも揉み合った末に偶然刃が当たっただけの事だし、大した事も無かったから……気にしてない」
「……っだからって……」
「……でもね、勘違いしないで? 私たちは決して許した訳じゃないし、私はもう、金輪際関わりたくないと思ってる」
「…………」
「それでも、貴方は私の妹だから……完全に縁を切る事は出来ないと思ってる。それにね、有紗だって、本当は変わりたいって思ってるんじゃないの?」
「……っ」
私の言葉に、有紗は戸惑いの表情を浮かべていた。
被害届は、本当は出した方が良いのかもしれない。
だけどあの日、初めて有紗に対して心の底から怒りを露わにしたあの時、この子は初めて、悪い事をしたと思っている気がしたし、後悔もしている気がした。
その時に私は思ったの。
有紗がここまでになってしまったのは、甘やかしてきた両親や、本気で怒る事をしなかった私たち家族にあったのでは無いかという事を。
有紗にはきっと、本気で叱る人が必要だった。
だけど、幼い頃から可愛がられ、欲しい物は何でも与えてもらっていた有紗はいつも思い通りの人生だった。
私から何かを取っても、私自身心の底から怒りを露わにはしなかったし、大人になるにつれて諦めていた所があった。
怒られる事もなく、全てが思い通りにいっていた有紗にとって、今回の事はとても耐え難いものだったに違いない。
そんな中で、私に怒られた事で有紗は色々と思う事があったのではないか……そう、思っている。
「有紗、貴方さえ変わりたいと思えば、きっと変われるよ。私はね、貴方に変わってもらいたい。私が好きになった人に興味を示すんじゃなくて、本当に心の底から好きだと思える人に出逢って、自分が幸せになれるように、生きていって欲しい。そうなれる事を、私も百瀬くんも、願ってる」
「…………」
「それじゃあ、私たちはもう行くね。もう、間違えないでね。それと、次何かして来る事があるようなら、その時は絶対、容赦しないからね」
俯いてしまった有紗に再度声を掛けた後、私と百瀬くんは部屋を出て行った。
「……有紗に、私の気持ち、届いたかな?」
「うん、伝わったと思う。時間は掛かるかもしれないけど、変われるよ、きっと」
「……うん、そうだといいな」
そして私たちは警察署を出ると、しっかり手を繋ぎながら歩き出した。
有紗の本心は分からないけど、人は、甘やかされてばかりが幸せとは限らない。
有紗は私に、本気で怒って欲しかったのかもしれない。
いけない事をいけないと、正して欲しかったのかもしれない。
私からすれば有紗は幸せな人生を歩んできているように見えていたけど、それは全て、百瀬くんに出逢うまでの事。
これまで有紗に取られても諦められていたのは、本当に心の底から大切なモノでは無かったからなのだと。
本当に大切なモノは絶対に取られたくないし、失いそうになったら、どんな時でも怒りだって込み上げる事を改めて知った。
全ては百瀬くんに出逢えたおかげ。
私は絶対、誰よりも幸せになる。
大好きな、彼と共に。
「俺のこの怪我は、あくまでも揉み合った末に偶然刃が当たっただけの事だし、大した事も無かったから……気にしてない」
「……っだからって……」
「……でもね、勘違いしないで? 私たちは決して許した訳じゃないし、私はもう、金輪際関わりたくないと思ってる」
「…………」
「それでも、貴方は私の妹だから……完全に縁を切る事は出来ないと思ってる。それにね、有紗だって、本当は変わりたいって思ってるんじゃないの?」
「……っ」
私の言葉に、有紗は戸惑いの表情を浮かべていた。
被害届は、本当は出した方が良いのかもしれない。
だけどあの日、初めて有紗に対して心の底から怒りを露わにしたあの時、この子は初めて、悪い事をしたと思っている気がしたし、後悔もしている気がした。
その時に私は思ったの。
有紗がここまでになってしまったのは、甘やかしてきた両親や、本気で怒る事をしなかった私たち家族にあったのでは無いかという事を。
有紗にはきっと、本気で叱る人が必要だった。
だけど、幼い頃から可愛がられ、欲しい物は何でも与えてもらっていた有紗はいつも思い通りの人生だった。
私から何かを取っても、私自身心の底から怒りを露わにはしなかったし、大人になるにつれて諦めていた所があった。
怒られる事もなく、全てが思い通りにいっていた有紗にとって、今回の事はとても耐え難いものだったに違いない。
そんな中で、私に怒られた事で有紗は色々と思う事があったのではないか……そう、思っている。
「有紗、貴方さえ変わりたいと思えば、きっと変われるよ。私はね、貴方に変わってもらいたい。私が好きになった人に興味を示すんじゃなくて、本当に心の底から好きだと思える人に出逢って、自分が幸せになれるように、生きていって欲しい。そうなれる事を、私も百瀬くんも、願ってる」
「…………」
「それじゃあ、私たちはもう行くね。もう、間違えないでね。それと、次何かして来る事があるようなら、その時は絶対、容赦しないからね」
俯いてしまった有紗に再度声を掛けた後、私と百瀬くんは部屋を出て行った。
「……有紗に、私の気持ち、届いたかな?」
「うん、伝わったと思う。時間は掛かるかもしれないけど、変われるよ、きっと」
「……うん、そうだといいな」
そして私たちは警察署を出ると、しっかり手を繋ぎながら歩き出した。
有紗の本心は分からないけど、人は、甘やかされてばかりが幸せとは限らない。
有紗は私に、本気で怒って欲しかったのかもしれない。
いけない事をいけないと、正して欲しかったのかもしれない。
私からすれば有紗は幸せな人生を歩んできているように見えていたけど、それは全て、百瀬くんに出逢うまでの事。
これまで有紗に取られても諦められていたのは、本当に心の底から大切なモノでは無かったからなのだと。
本当に大切なモノは絶対に取られたくないし、失いそうになったら、どんな時でも怒りだって込み上げる事を改めて知った。
全ては百瀬くんに出逢えたおかげ。
私は絶対、誰よりも幸せになる。
大好きな、彼と共に。