妹に彼氏を寝取られ傷心していた地味女の私がナンパしてきた年下イケメンと一夜を共にしたら、驚く程に甘い溺愛が待っていました【完】
ホテルを出ると、空は厚い雲に覆われていて、今にも雨が降りそうな天気だった。
まるで私の心を表しているかのような空模様。
「……雨が降らないうちにマンションに着ければいいけど……」
なんて思いながら電車に乗ってマンションがある最寄り駅に辿り着くも、願いは虚しく雨が降って来てしまった。
(はぁ……やっぱり降ってきちゃった……)
そう強い雨脚では無いけど駅からマンションまでは多少距離がある為、仕方なくタクシーに乗ろうと乗り場へ向かった、その時、
「亜夢!」
「……百瀬、くん……」
「……ようやく、見つけた……」
百瀬くんが、息を切らせながら走って来た。
「……電話、繋がらなくなって、凄く焦った……。部屋にも戻って来ないし……」
「……ちょっと、一人になりたかったから」
心配してくれているのは分かっているけど、どんな顔をすればいいのか分からない私は視線を外しながら、素っ気なく答える。
「……亜夢はもう、俺の顔なんて見たくないかもしれない。話すのだって嫌かもしれないけど、でも……一度だけでいいから、俺に話すチャンスを与えて欲しい……」
「…………」
深々と頭を下げ、そう言葉にする百瀬くん。
「……顔、上げてよ。こんなところでそんな風に謝られても、困るよ……」
「ごめん……」
私の言葉に再度「ごめん」と答えた彼は頭を上げる。
そんな彼にチラリと視線を戻すと、服は昨日別れた時のまま、表情も凄く疲れているようで、恐らく百瀬くんは夜通し私を捜していたのだと思った。
そんな彼を思うと、いつまでもこんな風に冷たい態度を取っている事を申し訳なく思ってしまい、
「……ごめんね。電話もメッセージも沢山くれたのに、返さなくて」
ついつい、私からも謝ってしまう。
こういうところが甘いんだと思う。
だから、私には何も残らない。
それでも、やっぱりいつまでも冷たい態度を取る事が出来ない損な性格を持っているのが、私なのだと思う。
「いや、いいんだ。全て、俺が悪いんだから……亜夢が謝る必要なんて、一つも無いよ」
「…………嘘をつかれた事、凄く悲しかった。有紗と付き合った事があるのを隠されたのも、辛かった。けど、それには理由があるんだよね?」
「……うん」
「その理由、包み隠さずに……話してくれる?」
「勿論! 全てを話して、それを聞いた上で、亜夢が俺の事を嫌いになるならそれも仕方ないって思ってる。例えどんな結末になったとしても、もうこれ以上、隠し事はしない! だから……」
「……分かった。それじゃあ聞かせて? 百瀬くんの話を」
「ありがとう。車、駐車場に停めてあるから、部屋に帰ろう」
「うん」
こうして私は百瀬くんから話を聞く為に彼と共にマンションへ戻り、彼の部屋にお邪魔して、彼が私に話せなかった全てを聞く事になった。
まるで私の心を表しているかのような空模様。
「……雨が降らないうちにマンションに着ければいいけど……」
なんて思いながら電車に乗ってマンションがある最寄り駅に辿り着くも、願いは虚しく雨が降って来てしまった。
(はぁ……やっぱり降ってきちゃった……)
そう強い雨脚では無いけど駅からマンションまでは多少距離がある為、仕方なくタクシーに乗ろうと乗り場へ向かった、その時、
「亜夢!」
「……百瀬、くん……」
「……ようやく、見つけた……」
百瀬くんが、息を切らせながら走って来た。
「……電話、繋がらなくなって、凄く焦った……。部屋にも戻って来ないし……」
「……ちょっと、一人になりたかったから」
心配してくれているのは分かっているけど、どんな顔をすればいいのか分からない私は視線を外しながら、素っ気なく答える。
「……亜夢はもう、俺の顔なんて見たくないかもしれない。話すのだって嫌かもしれないけど、でも……一度だけでいいから、俺に話すチャンスを与えて欲しい……」
「…………」
深々と頭を下げ、そう言葉にする百瀬くん。
「……顔、上げてよ。こんなところでそんな風に謝られても、困るよ……」
「ごめん……」
私の言葉に再度「ごめん」と答えた彼は頭を上げる。
そんな彼にチラリと視線を戻すと、服は昨日別れた時のまま、表情も凄く疲れているようで、恐らく百瀬くんは夜通し私を捜していたのだと思った。
そんな彼を思うと、いつまでもこんな風に冷たい態度を取っている事を申し訳なく思ってしまい、
「……ごめんね。電話もメッセージも沢山くれたのに、返さなくて」
ついつい、私からも謝ってしまう。
こういうところが甘いんだと思う。
だから、私には何も残らない。
それでも、やっぱりいつまでも冷たい態度を取る事が出来ない損な性格を持っているのが、私なのだと思う。
「いや、いいんだ。全て、俺が悪いんだから……亜夢が謝る必要なんて、一つも無いよ」
「…………嘘をつかれた事、凄く悲しかった。有紗と付き合った事があるのを隠されたのも、辛かった。けど、それには理由があるんだよね?」
「……うん」
「その理由、包み隠さずに……話してくれる?」
「勿論! 全てを話して、それを聞いた上で、亜夢が俺の事を嫌いになるならそれも仕方ないって思ってる。例えどんな結末になったとしても、もうこれ以上、隠し事はしない! だから……」
「……分かった。それじゃあ聞かせて? 百瀬くんの話を」
「ありがとう。車、駐車場に停めてあるから、部屋に帰ろう」
「うん」
こうして私は百瀬くんから話を聞く為に彼と共にマンションへ戻り、彼の部屋にお邪魔して、彼が私に話せなかった全てを聞く事になった。