妹に彼氏を寝取られ傷心していた地味女の私がナンパしてきた年下イケメンと一夜を共にしたら、驚く程に甘い溺愛が待っていました【完】

「お姉ちゃん、百瀬くん、久しぶり」

　ある日の仕事終わり、私と百瀬くんがスーパーで買い物をしていると、性懲りもなく有紗は私たちの前に姿を見せる。

「……有紗」
「またアンタかよ。何か用？」

　またかと呆れる私と、ウンザリ気味で嫌悪感を全面に出しながら高圧的な態度で有紗を睨みつける百瀬くん。

「やだぁ、そんな恐い顔しないでよぉ、百瀬くん。ここはスーパーだよ？ 買い物に来てるに決まってるでしょ？」
「ふーん？ で、何？ 用が無いなら声掛けてくるなよ」
「知り合いなんだから見掛けたら挨拶くらいしたっていいでしょ？」
「いらねーよ、そんなの。亜夢、行こう」
「あ、う、うん……」

　隠す必要が無くなったからか、百瀬くんの有紗に対しての態度はとても冷たいものだった。

「待ちなさいよ！ 何なの、その態度！ 百瀬くんって本当に冷たい男ね」
「何とでも言えば？ つーか、もう俺らの事は構うなよ。亜夢にも近寄るな。アンタはあの男と幸せに暮らしてろよ」
「あの男？ もしかして貴将くんの事？ あんな浮気男、こっちから願い下げだわ！ っていうかお姉ちゃん、彼が浮気してるの知ってて私に押しつけたんじゃないでしょーね？」
「そんな事……」
「奪ったのはアンタだろ？ 亜夢のせいにするなよ。とにかく、今後俺らの前に現れるな。亜夢、行くよ」

　買い物客たちが私たちのやり取りに気付き、何かトラブルなのかと横目に見つつ通り過ぎて行く中、何も言えない私に代わって百瀬くんが言い返してくれると、私の手を掴んで有紗を残し、その場を去った。

　去り際にチラリと有紗に視線を移すと、これまでに見た事がないくらいの怒りを露わにしながら、私たちを睨み付けていた。

　有紗がいた事でスーパーでの買い物を止めた私たちは自宅マンション近くのコンビニでお弁当を購入して帰宅した。

　一緒にお弁当を食べる為に着替えを終えた私が彼の部屋へ行くと、ソファーに座っていた百瀬くんに手招きされた私が彼の隣に座った瞬間、後ろから包み込むように抱き締められた。