世界を救わなくったって
魔族を倒して、魔王城までたどり着いた。

旅に出て、約二か月。
やっと、この旅が終わる。

ムンターさんは、魔力回復薬を飲んでいる。


「若いっていいな……あんなに戦っても、普通にしてやがる……」


ジト目でこっちを見ないでほしい。
若くても、体力には個人差があるからなぁ。


「ムンターさんって、俺の何倍も歳を重ねているんですか?」

「……いくつに見える?」


薬を飲み終わったムンターさんが、魔王城の扉を開けた。

ここの扉って、意外とあっさり開くのか。
罠でもしかけられてそうだと思ったが、そういうものは見当たらなかった。


「いくつに見えるか聞く人って、だいたいが若く見られたいんですよ」

「……」


ムンターさんはそっぽを向いた。

若く見られたいのか……
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