世界を救わなくったって
とにかく、王様に魔王討伐の報告をしなくては。

説明が面倒くさいから、テイルも一緒に王都に連れて行った方がいいよな。
魔王討伐の証拠として、魔王の頭を持ち帰ろう。

布でくるんで、魔法で小さくさせて、荷物入れの中に入れる。


「おーい、二人共……」


転送魔法で王都に行こうと思い、二人に伝えようとしたら、テイルとフィアーバは喧嘩していた。


「魔王を倒せば、オネストと結婚できる可能性があるって聞いたの。私が魔王を倒せば、フィアーバはオネストと結婚できないでしょ」

「だからって、本当に魔王を倒しに来るのは危ないだろ。村で待ってろって言っただろうが」

「フィアーバとオネストが結婚するのを待ってろってこと?」

「ちげぇよ」


すっげぇや。
お互いがお互いを思いやっているのに、それが全く伝わってない。
なんだコイツ等?
冷静なフリして、実はけっこう焦ってるんだろ。
ちゃんと話を聞けよ。


「王様に報告しに行くぞ。喧嘩は後でやれ」


睨みあっている二人の間に、割って入る。


「テイルに近付かないでもらえます?」


フィアーバはテイルと喧嘩をしていても、嫉妬心が勝るらしい。
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