世界を救わなくったって
城に着いた俺達は、さっそく王様に報告をした。
王様以外にも、女王やオネスト様や護衛等、たくさんの人がいる。


「魔王を討伐しました」

「そうか!よくやった!」


俺の報告を聞いて、王様はたちまち笑顔になる。


「さすがフィアーバ様ですわ!」


オネスト様は喜んでおり、女王は複雑そうな顔をしていた。


「魔王を倒したのは、テイルです」

「えっ……?」


俺の言葉を聞いて、王様は混乱していた。
オネスト様は、口をパクパクさせている。


「あ、あの田舎女が!?」

「オネスト!!」

「ひぃ!?ごめんなさい、お母様!!」


怒られて、しょんもりしているオネスト様。
テイルは「田舎女」と呼ばれていても、全く気にしていない。
フィアーバは表情が抜け落ちていたが。


「私が倒しました」


冷静に言ってのけるテイル。


「そ、そうか……」


魔王討伐を数か月で終わらせると、王様はどん引くらしい。


「……ほ、本当に倒したのか?」


疑っている。
そりゃそうか。

俺は布でくるんだ魔王の頭を取り出した。


「……それは?」


不思議そうに、俺の持っている物を見つめる王様。


「魔王の頭です」

「きゃあああ!?」


オネスト様は顔色を真っ青にさせた。


「はぁ……オネスト、部屋に行きましょう」


女王と護衛によって、オネスト様はこの場から連れて行かれた。
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