世界を救わなくったって
数日後、フィアーバは、魔王討伐の旅に行ってしまった。
村に残された私は、やる気が何もおきないので、ベッドで寝ころんでいる。

きっと、フィアーバは魔王を討伐したら、可愛くて小柄で、おしとやかな女の人と一緒になるのだろう。

あーあ……
私みたいな女が、フィアーバとずっと一緒にいれるわけないのに。

どうせなら、フィアーバが旅に出る前に、告白しておくんだった。
断られたら断られたで、さらにショックを受けるのだけれども。

フィアーバが旅に出てから、調子が良くない日が何日も続いていたある日の早朝、家の外が騒がしかった。

もしかして、フィアーバが帰ってきたのかな?

少しの期待を胸に抱き、私は家から飛び出た。

外には、見たこともない、きらびやかな格好をした十代前半くらいの女の子がいた。
彼女を守るように、ガタイの良い男の人が何人も立っている。

あそこだけ、空気が違う。
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