世界を救わなくったって
再び部屋に戻る。
オネストは一緒に戻ってきた私を不思議そうに見ていた。


「あの、オネスト様……」

「はい?」


フィアーバの母親に、笑顔で返事をするオネスト。
私がこの場にいることに対しては、特に気にならないらしい。


「フィアーバには既に、恋人がいるんです」

「まぁ、そうでしたの」


あれ?
もっと驚くかと思っていたけれど、反応が薄い。


「フィアーバ様はステキな方ですもの。恋人がいても驚きませんわ」


そういう考え方をしているのかぁ。
好きな人に恋人ができたら、私は落ち込むんだけれど、オネストは違った。


「その恋人と、どうせ別れることになるんですもの。そんな取るに足らないこと、気にする必要はありませんわ」


うっわぁ……
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