【短編】私、彼女失格です!?
「はー。」
家に帰り、自分の部屋でため息をこぼす。
今日も優と話したけど、ゆずのことでいっぱいであまり話せなかった。
ゆずも優と同じクラスだったんだから優のことを好きになる可能性だってあった。
なんで私はそのことに気づかず、安心しきってしまったのだろう。
優は特別かっこいいわけじゃないけど、高身長で足も早く、誰にでも分け隔てなく優しい。
陰キャの極み、みたいな私に話しかけてきてくれたのだからよっぽとだ。
なんで私は優を選んだんだろう。
なんで優は私を選んだんだろう。
ゆずの方がかわいいのに。
最初からゆずと優がくっついておけば、こんなことにはならなかったんじゃないかな。なんてすぐ人のせいにする私が嫌になる。
ゆずが悪いわけじゃない。
私がゆずに隠していたから。
それはゆずのことが信用できなかったから。
すぐ誰かにバラしてしまいそうで怖かった。
でもゆずは私に話してくれた。
「誰にも言わないでよ。」っていって話してくれた。
もう、なにがなんだか、まとまらない。
とにかく、明日からはゆずを応援してるふりをしないといけない。
優とゆずが一緒にいる姿を想像するだけで、涙が出てくる。それと同時にお似合いだなと思う。
気をまぎらわせようと明日の時間割を確認すると1、2限に「学年合唱合同練習」とあった。
それは優のクラスとも一緒に練習することを意味している。
いつもは喜ぶのに今日は全然気持ちが晴れなかった。