【短編】私、彼女失格です!?

今日も優と帰り道を歩いていた。

「藍華。なんか元気ない?」

「え、全然!元気だよ?」

私は笑って答えた。

「うそ。でしょ?」

「え、」

優が私に目線を合わせる。

「言ってくれないの?俺ってそんなに信用ない?」

「えっと、そうじゃないんだけど。」

「そっか。」

すると優は私から目を逸らした。

「やっぱクラス違うと冷めるよね。」

「え?」

「藍華。最近変だよ。廊下で会っても手、振ってくれないし、柚乃ちゃんを俺の方に持ってくるし、目も合わせてくれないし。」

「えっと、それはっ。」

違う。私の本心でやってるわけじゃないって言いたかった。

「もう、いいよ。藍華。」

でもそれは優の今まで聞いたことがないような低いトーンの声にかきけされてしまった。

「俺とボディタッチしてくれないのも、本当は好きじゃないからでしょ?それに委員会、同じにしようって言ったじゃん。なんで柚乃ちゃんと俺が一緒なの?」

「...っ。」

「じゃんけんで負けた可能性もあるなとは思ったよ。だけど、柚乃ちゃんから聞いたよ。藍華、最初から同じにしようって約束した委員会に立候補してなかったらしいじゃん。それに柚乃ちゃんしか立候補しなかったって。
何があったのかも話してくれないし、信用できないんだろ?だから、もういいよ。」

優は私を冷たい目で真っ直ぐ見つめた。

「藍華、友達に戻ろう。」





そこからはよく覚えていない。

気づいたら家のリビングで優とのトーク画面を出していた。

私は優に振られた。

『藍華ちゃん、好き。』
『藍華が世界で一番かわいいよ。』

もうこの言葉はもらえない。

私はただの他人。

ゆずのせい?いや、私のせいだ。

なんであの時言えなかったのか。

あのとき、全部話していればよかったのに。

私はウソつきだ。

私は最初から彼女失格だったんだ。
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