【短編】私、彼女失格です!?
一ヶ月後。
私と優とゆずは一緒に下校するようになった。
ゆずの気持ちはそんなに簡単に消えないらしいけど、だんだん友達としての好きになっていってるみたいだ。
「あいちゃん。飯島。いい加減デートでもしなよー!」
さっきまで「空は綺麗だね」とか言ってたゆずがそう言った。というか叫んだ。
「なによ。急に。」
と私。
「いいけど?行く?藍華。」
と優。
「あいかわらず合わないなぁ。あいちゃんは素直になれ!飯島は...そのままでいい!」
「なんだよ。それ。」
「あたしの感想だよ。」
優が少し笑った。
私もつられて笑った。
優とゆずを見てるとまだ、たまにお似合いだなと思ってしまう。
だけど、それでもいい。
優の彼女の座は私だから。
顔を上げると、目の前には私たちにエールを送ってくれているような大きな夕焼けが広がっていた。