狼上司と秘密の関係
☆☆☆
それからふたりは大和の運転でそのまま会社へ向かった。
泊まるつもりがなくて着替えがなかったから、途中服屋に寄って仕事用の服と靴を調達することになった。
余計な出費だったけれど、昨日のことを思えば文句はなかった。
それに自分が払うと言ってくれた大和を断ったのは千明だった。
昨日あれだけのことをしてくれた大和に、更にお金を出させることに抵抗があったのだ。
きっと、大和からすればこれくらいのお金どうってことないんだと思う。
だけど千明は大和に奢ってもらうために一緒にいるわけじゃなかった。
「あれれ~? 今日はやけにお肌がツヤツヤしてない?」
出勤してきた千明の異変に目ざとく感づいたのはもちろん梨江だ。
更衣室で梨江は千明の顔をマジマジと見つめている。
毛穴のひとつひとつに視線が突き刺さってくるみたいで、居心地が悪い。
「シャンプーも変えた?」
「もう、どうだっていいでしょ?」
千明はそそくさとエプロンを身に着けて更衣室から逃げ出した。
このままじゃ梨江に根掘り葉掘り聞き出されてしまう。
昨日の出来事は千明にとって胸に留めておきたくなるような、素敵なことだったからなんでもかんでも話すわけにはいかない。
それからふたりは大和の運転でそのまま会社へ向かった。
泊まるつもりがなくて着替えがなかったから、途中服屋に寄って仕事用の服と靴を調達することになった。
余計な出費だったけれど、昨日のことを思えば文句はなかった。
それに自分が払うと言ってくれた大和を断ったのは千明だった。
昨日あれだけのことをしてくれた大和に、更にお金を出させることに抵抗があったのだ。
きっと、大和からすればこれくらいのお金どうってことないんだと思う。
だけど千明は大和に奢ってもらうために一緒にいるわけじゃなかった。
「あれれ~? 今日はやけにお肌がツヤツヤしてない?」
出勤してきた千明の異変に目ざとく感づいたのはもちろん梨江だ。
更衣室で梨江は千明の顔をマジマジと見つめている。
毛穴のひとつひとつに視線が突き刺さってくるみたいで、居心地が悪い。
「シャンプーも変えた?」
「もう、どうだっていいでしょ?」
千明はそそくさとエプロンを身に着けて更衣室から逃げ出した。
このままじゃ梨江に根掘り葉掘り聞き出されてしまう。
昨日の出来事は千明にとって胸に留めておきたくなるような、素敵なことだったからなんでもかんでも話すわけにはいかない。