狼上司と秘密の関係
相応しくない
その日仕事が終わって梨江たちと一緒に体験施設を出ようとしたとき、千明だけが大和に呼び止められた。
明日は休みだし、梨江と晋也は下手なウインクをして見せながら先に帰っていった。
「話ってなに?」
事務所の机を挟んでふたりきりになったところで、ぎこちなく砕けた言葉を使う。
ついさっきまでみんなと一緒にいて敬語を使っていたから、切り替えが難しかった。
「大した話じゃないんだけど、ちょっと聞きたいことがあって」
「聞きたいこと?」
デートの誘いじゃなかったことに内心ガッカリしながらも聞き返す。
すると大和が視線を上で向けてなにか言いにくそうに口をモゴモゴとさせる。
その後意を決したように千明へ視線を戻した。
「子供は、好きか?」
突然の質問に千明は目を丸くし、それから「好きだけど、それがどうかしたの?」と、聞き返した。
ここに入社したときの履歴書に保育士だったことも書いた。
大和は当然それを知っているはずだった。
「そうだよなぁ……」
明日は休みだし、梨江と晋也は下手なウインクをして見せながら先に帰っていった。
「話ってなに?」
事務所の机を挟んでふたりきりになったところで、ぎこちなく砕けた言葉を使う。
ついさっきまでみんなと一緒にいて敬語を使っていたから、切り替えが難しかった。
「大した話じゃないんだけど、ちょっと聞きたいことがあって」
「聞きたいこと?」
デートの誘いじゃなかったことに内心ガッカリしながらも聞き返す。
すると大和が視線を上で向けてなにか言いにくそうに口をモゴモゴとさせる。
その後意を決したように千明へ視線を戻した。
「子供は、好きか?」
突然の質問に千明は目を丸くし、それから「好きだけど、それがどうかしたの?」と、聞き返した。
ここに入社したときの履歴書に保育士だったことも書いた。
大和は当然それを知っているはずだった。
「そうだよなぁ……」