狼上司と秘密の関係
思わず声が大きくなった。
今まで何人もの人に蔑まれてきたのか、大和は平気そうな顔でそんなことを言う。

だけど話を聞く方の千明は全然平気じゃなかった。
そんな痛くて辛い話、できるだけ聞きたくない。
千明はキュッと唇を引き結んで席を立った。

「子供は欲しい。だけどそんな先のことまではわからないよ」
千明は小さな声でそう告げると、ひとりで体験施設を後にしたのだった。
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