狼上司と秘密の関係
反省する気持ちが湧いてくる。
「子供の頃の大切な思い出は、大人になってからも忘れない。そうだろ?」

「そう……だと思う」
千明が保育士になりたいと思ったのは、単純に子供が好きだったからだ。

だけどそれ以前に自分が保育園に通っていた頃、楽しい思い出ばかりがあったからかもしれない。
毎日大好きな先生と遊んでもらえた記憶が溢れ出してくる。

「私、子供のことが好き。だけどきっと保育士の先生のことも大好きだったんだと思う」
今まで忘れていた記憶。

幼い頃はしゃいでいた自分の姿を今鮮明に思い出すことができる。
園庭の遊具で友達と遊んだこと。

走ってこければ、先生がすぐに駆けつけてくれたこと。
大好きなキャラクターの絆創膏を張ってくれたこと。
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