狼上司と秘密の関係
大和は額に汗をにじませて苦しげにうめき声を上げている。
「誰か呼ばなきゃ」
梨江がそう言って内線電話に手を伸ばそうとするのを、大和が止めた。
大和に足首を掴まれた梨江は小さく悲鳴を上げた。
「やめてくれ……俺は、大丈夫だから……」
苦しそうに言うその声はとても大丈夫そうには聞こえない。
顔を歪めて必死に堪えているのが痛々しい。
「もしかしてなにか薬があったりしますか?」
なにか常備している薬があるのなら、それで対応できるかもしれない。
だけど大和は左右に首を振った。
「これは……病気じゃないんだ」
「でも、こんなに来るしそうなのに」
そう言ったとき、千明はハッと息を飲んだ。
今朝、車の中で話をしたことを思い出す。
狼男。
もしあの話が本当なら?
そう考えるより先に体が動いていた。
事務所の窓へ駆け寄ってカーテンを開く。
空には満点の星と満月があった。
「誰か呼ばなきゃ」
梨江がそう言って内線電話に手を伸ばそうとするのを、大和が止めた。
大和に足首を掴まれた梨江は小さく悲鳴を上げた。
「やめてくれ……俺は、大丈夫だから……」
苦しそうに言うその声はとても大丈夫そうには聞こえない。
顔を歪めて必死に堪えているのが痛々しい。
「もしかしてなにか薬があったりしますか?」
なにか常備している薬があるのなら、それで対応できるかもしれない。
だけど大和は左右に首を振った。
「これは……病気じゃないんだ」
「でも、こんなに来るしそうなのに」
そう言ったとき、千明はハッと息を飲んだ。
今朝、車の中で話をしたことを思い出す。
狼男。
もしあの話が本当なら?
そう考えるより先に体が動いていた。
事務所の窓へ駆け寄ってカーテンを開く。
空には満点の星と満月があった。