狼上司と秘密の関係
スマホを両手で握りしめた状態で思わず小さく飛び跳ねる。
嬉しさを押し込めておくことができなくて、自然と顔がにやけてしまう。

遊園地デートを断る理由なんて少しもない。
千明はすぐに誘いを受け入れた。

《よかった。それじゃ、明日朝10時に迎えに行く》
《はい、待っています》

メッセージを送り、スマホをテーブルの上に置いてそのままクッションを抱きしめた。
「いやったぁ!」
明日はデートだ。

一体何年ぶりのデートだろう?
どうしろう、なにを着ていこう?
心がワクワクして落ち着かない。

千明は鼻歌を歌いながらクローゼットへと向かったのだった。
< 93 / 209 >

この作品をシェア

pagetop