クールなイケメン俳優『如月 翔』のオンオフ生活
***
真っ白いシーツがこすれる音がして、私は目が覚めた。
「あっ、翔くん。おはよ」
「あ、ごめん。萌ちゃん起こしちゃった?」
「ううん、大丈夫だよ! 翔くん、起きるの早いね。昨日は番宣お疲れ様!」
一緒のベットで寝ていた私の彼、翔くんが起き上がり布団から出ようとしていた。
「今日は久しぶりのオフだし、萌ちゃんと過ごせるの楽しみで早起きしちゃった」
くしゃっとした笑顔で彼はそう言った。
この笑顔はクールなイメージで売っているため、公共の場ではNGだ。
そう、その笑顔は私が独占している。
私にだけ独占配信してくれるその笑顔は、毎回頭の中で丁寧に録画されている。
オンの時はおでこを出し、クールなイメージを際立たせる彼の髪型。けれどオフの日は、何もセットされていなくて、黒い髪の毛がふわっとしていて、前髪もおろされていて、可愛らしいホワイトエンジェル。
「さて、今日もケーキを作ろっかな!」
実は彼、ケーキが大好きで作るのも上手。彼がケーキ好きだったお陰で今こうして一緒に過ごせている。
***
私が彼と付き合ったきっかけは、ハマった映画のロケ地を巡る『聖地巡礼』の最中だった。
ひとりで地図を見ながら順番に映画のロケ地をまわっていた。映画の中で主人公たちが結ばれた重要な場所が分からなくなって迷子になりかけた時だった。
並木通りを歩いていると、一本道の向こうから彼が歩いてきた。キャップを深くかぶりマスクもしていたけれど『如月 翔』だと、ひとめで分かった。
真っ白いシーツがこすれる音がして、私は目が覚めた。
「あっ、翔くん。おはよ」
「あ、ごめん。萌ちゃん起こしちゃった?」
「ううん、大丈夫だよ! 翔くん、起きるの早いね。昨日は番宣お疲れ様!」
一緒のベットで寝ていた私の彼、翔くんが起き上がり布団から出ようとしていた。
「今日は久しぶりのオフだし、萌ちゃんと過ごせるの楽しみで早起きしちゃった」
くしゃっとした笑顔で彼はそう言った。
この笑顔はクールなイメージで売っているため、公共の場ではNGだ。
そう、その笑顔は私が独占している。
私にだけ独占配信してくれるその笑顔は、毎回頭の中で丁寧に録画されている。
オンの時はおでこを出し、クールなイメージを際立たせる彼の髪型。けれどオフの日は、何もセットされていなくて、黒い髪の毛がふわっとしていて、前髪もおろされていて、可愛らしいホワイトエンジェル。
「さて、今日もケーキを作ろっかな!」
実は彼、ケーキが大好きで作るのも上手。彼がケーキ好きだったお陰で今こうして一緒に過ごせている。
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私が彼と付き合ったきっかけは、ハマった映画のロケ地を巡る『聖地巡礼』の最中だった。
ひとりで地図を見ながら順番に映画のロケ地をまわっていた。映画の中で主人公たちが結ばれた重要な場所が分からなくなって迷子になりかけた時だった。
並木通りを歩いていると、一本道の向こうから彼が歩いてきた。キャップを深くかぶりマスクもしていたけれど『如月 翔』だと、ひとめで分かった。