君の隣は誰にも譲れない

「はい」

 叔父さんは私に向かって、切り出した。

「実はね。うちの会社だが兄さんから受け継いだときにはすでにあまり経営状態が良くなかったんだ」

「……え?」

 ここは父が社長、父の弟である叔父が副社長をしていた会社だ。父が亡くなり、実質叔父が社長職のようなことをしているが、まだ正式には就任していない。

「それでね、実はとある会社の傘下に入ろうかと思っているんだ」

「どういうことですか、叔父さん。それってうちの会社が自力ではもう……」

「まあ、何とかやっていくくらいは出来るだろうけどね、実は……」

「私が今している研究は?最先端ですよ。父も言ってましたけど、形になればかなりの……」
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