君の隣は誰にも譲れない

「皆さん、お邪魔します」

 京介さんだった。相変わらずの美貌とオーラ。目を奪われた。後ろには二人の男性がいる。一人はバッジを付けている。弁護士だろう。もう一人は、メガネをかけた黒子のような人。

 茂さんという人がガタンと音を立てて立ち上がった。

「京介っ!どうしてここが……」

「京介君、失礼だぞ。何をしに来た。お見合い中だ、急ぎでも、話なら後で聞く」

「叔父さん、茂。これはどういうことですか?叔父さんの会社にこちらの本郷ファーマシーを無理矢理吸収しようとしているらしいですね」

 黒子さんが椅子を引いた。そこに京介さんが腰掛けると、長い足を組んだ。向かい合う私達の真ん中に座った。お誕生席だ。その横に弁護士が座った。
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