君の隣は誰にも譲れない

「た、高藤……京介さん?ま、まさか……」

 黒子がうなずいた。

「京介様は現総帥である良介様のたったひとりの跡取りです」

「は?ええ!?」

「ちょ、ちょっとどういうことですか?」

 叔父と叔母は目を白黒している。そんな二人をおかしそうに見た彼は、私に目を移した。

「稚奈さん。遅くなって悪かった。助けに来たよ」

「……京介さん」

「古川弁護士。頼みますよ」

 隣に座ったその弁護士もイケメンだ。彼は言う。
< 29 / 91 >

この作品をシェア

pagetop