君の隣は誰にも譲れない

「え?そ、それはどういう?」

「そのままの意味。どちらかの婚約者になることが条件で会社を救うとなった場合、君は僕とアイツのどちらを選ぶ?」

 こちらをじっと彼が見ている。そ、そんな。別に婚約しなくても助けられるよね、京介さん。でも、目の前のお見合い相手を退けるには言わないとだめだよね。

「……京介さん……です」

「そう。じゃあ、僕と婚約しようか?」

「「「何だと!?」」」

「ええ!?」

 皆が驚いて彼を見た。私はあっけにとられて口をあんぐりと開けてしまった。

「どうして?今は婚約じゃなくて、会社のことでしょ?」
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