君の隣は誰にも譲れない

「それから、父に僕のことが……出来れば好きだと……付き合いたいとその場限りでも言って欲しい。ごめん、そうじゃないと、きっとその……」

「わかりました。京介さんイケメン過ぎて、前から目を奪われてましたから、ちゃんと言えますよ」

「……本当に?嘘じゃないよね?」

 彼は目をキラキラさせて私を見た。もう、何なの?

「イケメンなんて言われ慣れてるでしょ、京介さん。別に私だけじゃないはずですよね」

「誰から言われるかが重要なんだよ。そう思わない?君は茂に今日その姿を綺麗だって言われてどんな気持ちだった?」

 確かに……気持ち悪くて鳥肌が立った。

「そうですね、気持ち悪かったです」

「僕が君に言ったときは?綺麗だよ、稚奈さん」

 恥ずかしい。そんなイケメン顔で言わないで。ドラマみたい。赤くなった。

「良かった。嫌じゃないんだね、恥ずかしそうにしてる。わかっただろ?僕も好きじゃないやつにイケメンだ、ステキだ、なんて言われたって気持ち悪いんだよ」
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