君の隣は誰にも譲れない

「……京介さんったら」

「半年待ってくれと言う君の希望を叶えて、待つと決めたんだ。それに、会社のことがきちんと片付いて、君が僕のものになると決心出来たらね。無理矢理はしないと最初から決めているんだ」

 京介さんのお父さんを説得できたので、とりあえず高藤化学との合併は消えた。

 同棲するにしても、きっと彼は御曹司。私とは生活習慣も違うからすぐに呆れられるだろう。私はとりあえず半年やってみましょうと提案したのだ。

 総帥もそれでいいだろうと了承してくださった。ただし半年後、もし別れたら二度と彼に近づかないと約束させられた。縁談を私以外で早速考えるから従えと……。

 彼は私といるためにその条件をのんだ。どうせ、数ヶ月も経たないうちに私をおとしてみせると豪語して……。

 そう……あの後、彼に連れられてお父様にお会いした。彼にどこか雰囲気が似ている。醸し出す何かが似ているのだ。顔はあまり似ていない。

 お父様の方が鋭い顔のイケメン。京介さんは柔らかい女顔のイケメン。おそらく、お母様に似たんだろう。
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