君の隣は誰にも譲れない

「昔、君がまだ小さい頃にいじっていたのを見たことがあるよ」

「そうなんですか?」

 私を見ながら微笑みを浮かべている。うわ、笑顔が素敵だ。相変わらず格好いい。思わず頬が赤くなった。

「京介君、大丈夫かい?時間……」

「はい。先生、では失礼します。稚奈さん、また……」

 そう言って、彼は出て行った。

「あの、送りましょうか?」

 外にでて彼に言った。

「いや、ありがとう。今日は大丈夫だよ。お父さん、あまり顔色が良くないね。大切にしてあげなさい」

 気づいたんだ。すごい。

「はい。そうします」

「うん。君も頑張って」
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