君の隣は誰にも譲れない
「いずれ、彼の隣へ立つのにふさわしい女性となれるように今から勉強させて下さい」
「稚奈!そんなことはいいんだよ。最低限でいいから……」
「稚奈さんは総帥の妻になる覚悟があるんだな。よし、君に教える人を付けるようにする。覚悟しなさい」
「はい、頑張ります」
「京介、結婚して子供が出来たらお前に正式に高藤の家督を譲る。私は栞のところへ行く」
「……父さん」
「本妻の由子は私がいようと、いまいと、もはや関係ない。お前が息子として彼女を立ててくれるから助かってる。今更だがありがとう」
「やめてくれよ、そんな……嬉しいよ、父さん。こちらこそありがとう。脇腹の僕を大切にしてくれて、跡取りにしてくれた」
「良かったね、京介さん」