君の隣は誰にも譲れない

 結婚式へ参列してくれた母に、私はそのことを話した。そして、父亡き今となって、母と栞さんはようやく話をして和解した。

 両家のわだかまりは溶けて全て解決した。

「ステキ、京介さん。本当に私の王子様になった」

 その言葉にウインクして彼は言った。

「今日は皆、僕の姫君の美しさに目がくらむだろう。愛してる、稚奈」

「私も愛してます、京介さん」

 彼は私を抱き寄せると、化粧が取れるのも構わず、夕べと同じキスをした。

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