水槽の人魚は、13年越しの愛に溺れる
「I'm sorry. In Japan, it is not a compliment to touch the opposite sex.」
「It's not crazy to express your joy, is it?」
「I am sorry. As a member of the Aquarium, I am very pleased that you enjoyed your visit. We hope you continue to enjoy the Satoumi Aquarium after this!」
「Thank you!」
真央が流暢な英語を披露すれば、海里は目を見張る。紫京院と全く同じ表情をしていることに気づいた真央は、男性客が去ったあとに苦笑いを浮かべながら、海里に話しかけた。
「さっき、紫京院さんにも英語が喋れるなんて意外だなぁ……って顔をされたけど……私、こう見えても10年くらいハワイで暮らしていたんだよ。真里亜ほどじゃないけど、英語は話せるからね」
「意外だとは、思っていないよ。俺の真央は、何でもできる。羨ましいな……俺はなにも、持っていないのに」
「えっ!?」
真央は二重の意味で驚いた。
鬱々としながら重い口を開いていたはずの海里が――13年前のように優しい口調で、遠くを見つめながら気持ちを、吐露したからだ。
「It's not crazy to express your joy, is it?」
「I am sorry. As a member of the Aquarium, I am very pleased that you enjoyed your visit. We hope you continue to enjoy the Satoumi Aquarium after this!」
「Thank you!」
真央が流暢な英語を披露すれば、海里は目を見張る。紫京院と全く同じ表情をしていることに気づいた真央は、男性客が去ったあとに苦笑いを浮かべながら、海里に話しかけた。
「さっき、紫京院さんにも英語が喋れるなんて意外だなぁ……って顔をされたけど……私、こう見えても10年くらいハワイで暮らしていたんだよ。真里亜ほどじゃないけど、英語は話せるからね」
「意外だとは、思っていないよ。俺の真央は、何でもできる。羨ましいな……俺はなにも、持っていないのに」
「えっ!?」
真央は二重の意味で驚いた。
鬱々としながら重い口を開いていたはずの海里が――13年前のように優しい口調で、遠くを見つめながら気持ちを、吐露したからだ。