愛しい吐息 ~凛々しい婚約者は彼女を溺甘で支配的な愛にとろけさせる~
 高級ホテルのスイートルームに連れ込まれ、シャワーを浴びる間も惜しんでベッドに押し倒される。
 女性は花純の服を乱暴に脱がせようとした。
 花純はその手を押しとどめ、自分で脱いだ。
 女性は待ちきれないように急いで自身の服を脱ぎ、花純に覆い被さる。
 熱いキスを交わしてから、女性は徐々にその唇を下に移動させていく。
 花純の首筋をなぞり、胸の尖端を舌先で弄ぶ。
 花純が喘ぐと、その動きはさらに早くなり、もう片方の胸は女性の指で官能的に刺激される。
 声にならない声を上げる。
 女性は花純の秘部に触れ、同時に胸を攻め、彼女の体をただ快感で満たしていく。
 しばらくして、花純の体の準備ができたと見た女性は、下半身の屹立したものに避妊具をつけ、花純の体に沈める。アルファの女性は男性と同じものを持っていて、相手を妊娠させる能力を有する。
 花純の体はやすやすと侵入を許した。
 新たな悦びが花純の全身を貫く。
「あなたは私の運命の番だ」
 激しく動きながら、女性は言う。
 花純は快感に支配され、何も答えられない。口から出るのは熱い吐息と歓喜の声ばかりだ。
 やがて花純の悦びは高まりを迎える。
 その頂きに上り詰めた瞬間、花純は大きくのけぞり、声を上げた。
「まだだ」
 女性はまだ足りないとばかりに動く。
 花純は歓喜の余韻と新たな快感に耐えられず、声を上げる。
「あなたは私のものだ」
 言いながら、女性は荒い息で花純のうなじに噛みついた。
 瞬間、花純の全身に強い電流が走ったように跳ねた。
 何かが起きた。
 そうは思うものの、女性によって新たに与えられる快感に押し流され、彼女の動きに夢中になった。
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