【改稿版】身代わりお見合い婚〜溺愛社長と子作りミッション〜
「社長は私のことを女として見ているとか、そういう類ではないと思います」

「俺もそう思う」

 主任も同意してくれた。

「女性として気になっていたら、あんな風に破顔してついて回るか?」

 主任の言葉にみんな納得した。それに、そもそも社長が私のことを好きになるという想像ができないのだと思う。私もできない。

「なんにせよ、社長をペットだと思って可愛がってあげればいいだろ?」

「できるわけがないじゃないですか!」

 なんだかみんなに面白がられている。まあ、これは社長の気まぐれだ。深く考えるだけ損だし、興味がすぐにそれるかもしれない。

 ……そう思っていたのに。

 仕事を終えて会社を出ると、社長が立っていた。私の姿を見つけると、社長は満面の笑みで駆け寄ってきた。

「奇遇だな、俺も今終わったところだ。一緒に帰ろう」

(奇遇? また?)

 さすがに今回も信じることはできなかった。あきらかに不自然すぎる。

(私をずっと待っていたってこと? どうして?)
< 115 / 247 >

この作品をシェア

pagetop