【改稿版】身代わりお見合い婚〜溺愛社長と子作りミッション〜
途中からぶつぶつと独り言のように呟いて考え込んでいた。

 どうやら社長は私のことをとても心配しているようだ。こうなると、社長は毎朝毎晩、私のことを待っていそうな気がする。

 アパートに着いたので、社長に別れの挨拶をして家に入った。

 社長は、家のドアが閉まるまでしっかりと見届けていた。

(どうしよう、なんか、変なことになってきた)

 これは好意を寄せられているのだろうか。それにしては行動が極端で行き過ぎている。

(これ、もしかしてずっと続くの?)

 素直に嬉しいと思えなくなっている自分がいる。

 そっとカーテンの隙間を開けて外を見ると、アパートの前の道路に社長がまだ立っていた。

(どういうこと? ずっと見守っている気?)

 ここまでくると、ちょっと寒気がしてくる。意を決し外に出た。

「どうした? 買い物か?」

 社長は悪気のない顔で私に話しかけた。私は口を真一文字に結び、早足で社長に詰め寄った。
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