【改稿版】身代わりお見合い婚〜溺愛社長と子作りミッション〜
「はい」

「いい子だ。おやすみ」

「おやすみなさい」

 社長の優しい眼差しに見守られながら、後ろ髪をひかれる思いで歩き出す。

 途中何回か振り返ると、社長はその場に立ちながら私のことを見守っていた。家のドアを開け、中に入る前に小さく手を振ると、社長も手を振ってくれた。

 ゆっくりとドアを閉めた。急激に寂しさが襲ってくる。ドアを小さく開け、外を覗き込むと、社長が帰っていく後ろ姿が見えた。

 社長はもう、私を待つことはないだろう。会社でもずっと一緒に行動はしないだろうし、一定の距離を取られる。

 それを望んでいたはずなのに、どうしてこんなに胸が苦しいのだろう。

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