【改稿版】身代わりお見合い婚〜溺愛社長と子作りミッション〜
 俺は待っていた時の高揚感を思い出し薄っすら微笑んだ。一方で、俺の言葉に祐樹は冷ややかな目をして口の端を歪めていた。

 普通はそんなことしないのだろうか。そういえば、付き合っていた歴代の彼女にはそんなこと一度もしたことがない。

「お前さあ、今までどうやって付き合っていたの?」

「それが曖昧で漠然としたものだった。付き合ってと言われたから、綺麗だし性格も悪くないから、まあ不都合はないか、という流れかな」

「なにもしなくても寄ってくるからな、お前の場合は」

 そういう祐樹こそ、引く手あまたのモテ男だ。だが俺と違って、女性に興味津々で陽気なので、恋愛の仕方も抜群に上手い。しかしながら、いささか調子が良く言葉が軽薄だとは思う。

「付き合うってどうすればいいんだ?」

「そりゃ告白して、付き合いましょうって言って……ってまてよ。お前の場合、いきなりわけわからんタイミングで告白してしまいそうだ」

 祐樹は慌てて発言を打ち消した。

「え、告白にも手順が必要なのか?」
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