【改稿版】身代わりお見合い婚〜溺愛社長と子作りミッション〜
 親友と好きな人が結婚するという恐ろしさに震えたけど、有紗はそれ以上に苦しんでいるのを目にして、私が傷つくのなんておこがましいと思った。

「有紗、私は大丈夫だから。でも……」

 悠斗君をちらりと見る。悠斗君は黙って下を向いていた。

 社長と有紗が結婚しても、私たちの友情は壊れない。でも、悠斗君と有紗の関係は終わる。

 なんて残酷な選択。有紗の犠牲の上に成り立つ店の存続なんて、そんなのおかしい。

「私、また有紗の身代わりをして社長に頼んでみるよ。結婚はしないけど、融資してくれないかって頭を下げてみる」

「あの人は、芳美が身代わりだってもう知っているよ」

「ええ⁉」

「実家に来て、私と会ったの。芳美が身代わりだって知っても、気持ちは変わらないって。あの人も芳美のことが好きだって」

「え、え、ええ⁉」

 もう頭が混乱してついていけない。社長が私を好き?

「芳美に言おうかずっと迷っていた。でも悠斗が……」

 名前を出された悠斗君は顔を上げて話に入ってきた。
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