【改稿版】身代わりお見合い婚〜溺愛社長と子作りミッション〜
「勝手に首を突っ込んでしまってすみません。でも、芳美さんのことを思うと、知らせない方がいいと思ったのです。なぜなら、たとえ付き合えたとしても藤堂寺家と結婚することはできません。藤堂寺家は由緒正しき代々続く家柄です。シンデレラのような身分差のある結婚はできないしきたりです」
社長と結婚したいだなんて大それたことを思ったこともないけれど、こうやってはっきりと言われると胸が締めつけられる。
「私と悠斗のように、どんなに愛し合っても結ばれない運命なら、いっそ最初から付き合わなければこんなに傷つくこともなかったのにと思ったの。芳美にも、同じ苦しみを味わってほしくなかった。でも、そんなこと私たちが決めることじゃないよね。ごめんね、内緒にしていて」
私は大きく首を振った。有紗と悠斗君を責める気持ちはまったくない。
「聞いたとしても、なにもできないから」
それに、社長の気持ちがどこまで本気なのかわからない。私が、何の取り柄もない一般庶民の田中芳美だと知っても好きでいてくれる保証はない。
社長と結婚したいだなんて大それたことを思ったこともないけれど、こうやってはっきりと言われると胸が締めつけられる。
「私と悠斗のように、どんなに愛し合っても結ばれない運命なら、いっそ最初から付き合わなければこんなに傷つくこともなかったのにと思ったの。芳美にも、同じ苦しみを味わってほしくなかった。でも、そんなこと私たちが決めることじゃないよね。ごめんね、内緒にしていて」
私は大きく首を振った。有紗と悠斗君を責める気持ちはまったくない。
「聞いたとしても、なにもできないから」
それに、社長の気持ちがどこまで本気なのかわからない。私が、何の取り柄もない一般庶民の田中芳美だと知っても好きでいてくれる保証はない。