【改稿版】身代わりお見合い婚〜溺愛社長と子作りミッション〜
 社長の真っ直ぐな瞳からは、強い信念のようなものが感じられた。

 いきなり変なことを聞いたのに、真剣に答えてくれる誠実性に、胸がときめく。社長のことがさらに好きになった。

「そして、社長は成功させましたもんね。本当に凄いと思います」

「俺は、成功するかしないかで物事を判断しない。失敗しても諦めなければいいのだ。そうすれば失敗にはならない」

 社長は婉然と微笑み、さらに言葉を続けた。

「この会社だっていつ事業が傾くかわからない。それは他の事業についても同じことだ。いい時もあれば悪い時もある。でもそれを乗り越えればいいのだ」

 力強い言葉に胸が震える。そんな風に考えたことなんてなかった。失敗するくらいなら、やらない方が安全だと思っていた。
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