【改稿版】身代わりお見合い婚〜溺愛社長と子作りミッション〜
「あの、今言うことじゃないとは思うのですが、同棲する必要ってあります?」

 なぜか当然の流れでこんなことになってしまって、様々な人が頑張って作業をしてくれている中、ずっと言い出せずにいたことを思いきって言ってみた。

 もちろん、今さら同棲解消しようと思っているわけではない。ただ、ここまでする必要ってあるのかなっていう。しかも、今日のうちに。

「もちろんだ。我々には時間がないし、なによりセキュリティの甘いあのアパートで一人暮らしさせるわけにはいかない」

 社長は至極当然といった面持ちで言い放った。自身の決断に一切の迷いがない。考えが合理的で即断即決すぎる。悩むということはないのだろうか。

 社長の家は一人暮らしにしては広いとはいっても、寝室は一つしかない。

 私の衣服類はとりあえず社長の仕事室兼書斎に入れたけれど、そこには私が使っていたベッドまで入らなかったのでそれは処分することになった。

 つまり、今夜から私は、社長と同じベッドで寝るということだ。
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