【改稿版】身代わりお見合い婚〜溺愛社長と子作りミッション〜

第二章 目覚めたらベッドの上

 目を開けると、見慣れない天井が映っていた。柔らかな心地の大きなベッドで寝がえりを打つと、高級感のある洗練された様式の寝室が目に入った。

 寝室の壁にはオシャレな絵画が飾られ、穏やかな間接照明が贅沢な雰囲気を演出している。

(ここは、どこ?)

 ズキズキと痛むこめかみを指で抑えながら、必死に記憶を辿る。

 たしか私は、有紗から頼まれて身代わりお見合いをすることになった。でも、その相手がまさかの憧れの社長で、徹夜明けのすきっ腹で日本酒を飲みまくったら気を失って……。

(で、どうしたのかな?)

 社長と庭園の池を見に行ったことまでは覚えている。そこで気を失って、私は池にそのまま落ちた。そして、今……。

 服を見ると、着物ではなく真っ白なバスローブを着ていた。下着は履いていない。

 なにが起きたのか考えるだけで、嫌な汗が出てくる。むしろ考えたくない。一つだけ言えることは、社長にとんでもなく迷惑をかけている。これは間違いない。
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