【改稿版】身代わりお見合い婚〜溺愛社長と子作りミッション〜
「ありますよ。年齢的に抜本的に治せるわけではありませんが、だいぶ楽になると思います」

「小娘が生意気なことを。その話が本当なら私の主治医はヤブ医者ってことになるよ」

「ヤブ医者ではありません。この薬の処方は適切です。ただ、まだ知らないのだと思います。新しい薬ができたことを」

「新しい薬?」

 おばあ様だけでなく、みんなが私のことを見ていた。

「はい、私が研究し開発した新薬です。臨床試験と承認審査を経て、今年販売が許可されました。まだMRの方にも浸透していないので、知らなくて当然だと思います」

 そして私は持ってきたメモ帳に新薬の名前を書いた。

「良くなったら私たちの結婚を認めてください」

 微笑を浮かべ、紙を渡した。おばあ様は半信半疑の顔で、そのメモ書きを見ている。

「長生きしてくださいね」

 私の言葉に、おばあ様は鼻先であしらい顔を背けた。

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