【改稿版】身代わりお見合い婚〜溺愛社長と子作りミッション〜
「兄はどんな漫画を描いているのか知っている?」

「たしかギャグ漫画ですよ」

「ギャグ漫画?」

「はい、けっこうシュールなかんじでした」

 絵も独特で上手とは思えなかったし、ギャグセンスもよくわからなかったのが正直なところだけれど、プロはやはり悠斗君の天才さを見抜いていたらしい。さすがだ、素人にはさっぱりわからなかった。

 そういえば、悠斗君の住んでいるアパートだが、外観はとんでもなくボロかったけれど、内装はやたらと綺麗だったことを思い出す。
 資産数十億の人が、内装はフルリノベーションしていたのだろうとはいえ、あのアパートに住んでいるのだから、やっぱり変わっている。

「でも、俺的に一番の驚きだったのは、芳美が新薬を開発していたことだ」

 貴富さんは感心するような目で真っ直ぐに私を見てきたので、少し気恥ずかしくなる。

「あれは、大学の研究中に偶然発見したものなのです」

「在学中に⁉ それは凄い!」
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